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老人ホーム、介護施設とは

はじめに
国立社会保障・人口問題研究所が2000年の国勢調査を基に、2025年までの人口及び世帯の推移を推計したデータによると、世帯主が65歳以上の世帯は,2000年の1,114万世帯から2025年の1,843万世帯まで,ほぼ730万世帯増加し、家族類型別では,「単独世帯」の割合が増え,「その他の一般世帯」の割合が低下する.特に75歳以上の「単独世帯」は,2000年の139万世帯から2025年の422万世帯までほぼ3倍になると予測している。

一方、核家族化の進行に、住宅の狭小さが重なって、家庭内介護力が急速に低下しているのが現状である。
 一昔前までは、お爺ちゃん・お祖母ちゃんは子供や孫と同居し、みんなで見守り、要介護状態になった時は皆で協力し、介護に当たるのが普通とされていた。
しかし、様々な事情で親世帯と子供世帯は別居し、かなり遠くに住んでいるケースも少なくない。

片や、こんなデータがある。
日本人の平均寿命は男性が78.6歳、女性が85.6歳
65歳以上で亡くなった方の平均寝たきり期間は、8.5か月85歳を超えると4人に1人が要介護状態に。

つまり、親世代が要介護状態になった時に「誰が」「どこで」「どんなシステムで」「どんな介護を」受けられるのかというのは当人や家族、国の重要な課題になっているのです。

 そこでこの項では「どこで」=「住む場所」に絞って調べてみました。
国の施策と指針
従来、福祉についての考え方は、障害者や高齢者などの社会的弱者を、収容保護して社会から隔離する傾向にあった。
その政策が変換するキッカケは1981年の国連の場で「ノーマライゼーション」の考え方が紹介されて以降、世界の国々で収容保護から人権尊重へ、施設から地域へ自宅へ、ADL(日常生活動作)からQOL(生活の質)への転換がはじまった。

日本の高齢者福祉も大筋で世界の流れを引き継ぎながら、財政上の問題を抱え変遷している。1982年に老人保健法が制定され、医療事業や保険事業を無料から有料に切り替え、老人保健法に該当しない場合のみ老人福祉法による手厚い福祉が受けられるという体制に切り替えた。しかし、人口の高齢化が進み、福祉の適用範囲を減らしたにも関わらずまたもや財政上破綻をし、従来老人福祉法、老人保健法の管轄であった介護部門を別の財源で行うことにし、介護保険制度が平成12年にスタートした。

日本の高齢者福祉は戦後のばらまき福祉から、徐々に国民が負担する体制へと変化している。こういった歴史的な背景から、高齢者福祉では、まず老人保健法と介護保険法が適用され、やむをえない事由があるときのみ老人福祉法が適用されるという形式となっている。
なお、老人保健法廃止後は老人保健法の医療事業は高齢者の医療の確保に関する法律へ、それ以外の保健事業は健康増進法に引き継がれる予定である。
 
では高齢者が介護を必要とする状態、もしくは見守りが必要となった状態の時にどんな公的施設が用意されているのかというと
  • 老人保健法に基づく施設 介護老人保健施設
  • 老人福祉法に基づく施設老人デイサービスセンター・老人短期入所施設・養護老人ホーム・特別養護老人ホーム(特養)・軽費老人ホーム・老人福祉センター・老人介護支援センター
があります。
 
  それぞれの内容と特徴を上げると
介護老人保健施設(老健)とは
   高齢者の長期入院による医療費の増大と社会的問題となった社会的入院対策として、病院での急性期治療は脱したものの、在宅等に移る前に医師の指導の下にリハビリ等の治療を行う場として位置づけられた施設です。
従って老人福祉法に基く特別養護老人ホームで提供される入所をはじめとするサービスと共通するサービスが多く、違いが分かりづらいですが、老健は病院と自宅の「つなぎ」として医療的側面が強いといえます。その現れが老健では医師の常勤が義務づけられていますし、看護師の数も多くなっています。又入所も老健では3ヶ月が目安と言われています。一方特養は生活の場としての施設であり、生活を支障なく行うための介助員の人数は老健より多くなっていますし、入所期間も制限はありません。


  • 入所サービス・・・一定期間入所(施設によって異なるが3ヶ月~長くても6ヶ月)し、医師の指導の下に投薬や、リハビリ等の医療措置と食事や入浴・娯楽等のサービスが提供される。
  •  短期入所療養介護(ショートステイ)・・・短期間の入所サービスです。 介護を担当される方の急用、旅行等の際に役立つサービスです。一時的に介護負担が軽減されリフレッシュすることが出来ます。
    介護老人保健施設や介護療養型医療施設などの医療機関に入所・入院する時のショートステイは短期入所療養介護で特別養護老人ホームなどの福祉施設にショートステイする時には短期入所生活介護と使い分けることもあります。
  •  デイケア(通所リハビリテーション)・・・自宅から医療機関に通って受けるサービスです。サービスの内容は、リハビリテーションの他入浴、食事など機関によって様々です。
    介護老人保健施設や病院・診療所などの医療機関に通所することをデイケア。特別養護老人ホームなどの福祉施設に通所することをデイサービスと使い分けることもあります。
養護老人ホームとは
養護老人ホームとは、主に経済的な理由で居宅において養護を受けることが困難な65歳以上の自立者を入所させ、養護することを目的とする施設のことです。 特別養護老人ホームと違い、介護保険施設ではありません。行政による措置施設で、入居の申し込みは施設ではなく市町村で行います。
 
特別養護老人ホームとは
 特別養護老人ホームとは、65歳以上で、常時の介護を必要としかつ居宅においてこれを受けることが困難である者を入所させる施設です。
建設する際に国・自治体の補助金が出ているため、入居費用が安価に設定されているので、入居のための待機者が数多く存在し、入所までに2年・3年と待機させられることが多く、又個室が乏しいので民間の有料老人ホームを利用する人も多い。

軽費老人ホームとは

 軽費老人ホームとは、無料又は低額な料金で、老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設(老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホームを除く)のことです。60歳以上の人が入所できます。簡単な言い方をすると個室を与えられ、寮母さんの下、寮生活をするようなもので形態によって3種類があります。
  • A型・・・食堂で食事を提供します。
  • B型・・・食事の提供のない自炊の施設です。
  • ケアハウス・・・A型同様食事が提供されますが、介護が必要になった時に外部から介護保険サービスが利用できます。

有料老人ホームとは
 有料老人ホームは、老人福祉法で「老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜の供与をする事業を行う施設であつて、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居等でないものをいう。(老人福祉法第29条第1項)」と規定されています。
 
従って、以下のものは該当しません。
  •  高齢者以外の方も入居が可能なもの
  • 分譲方式により居室の所有権を取得するもの
以下の3タイプあります。
タイプ内容
介護つき有料老人ホーム食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で、介護が必要になった時は、施設自らが介護保険の事業者(特定施設入所者生活介護)としての指定を受け介護サービスを提供します。
住宅型有料老人ホーム食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で、介護が必要になった時は、外部から介護サービスを呼んで居室で受けます。
健康型有料老人ホーム食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で、介護が必要になった時は契約を解除し退去することになっています。

グループホーム(認知症高齢者対応住宅)とは

 施設や病院などの規則や時間に追われる非人間的な空間でなく、慣れ親しんだ我が家の雰囲気を持つ戸建てや集合住宅に4人~9人程度の同病者とスタッフと起居を共にし(全員個室)、食事や掃除・洗濯・買い物などの作業を出来るだけ自分ですることを通じて人としての生活を取り戻すことを狙いとする場。その有効性と効果から爆発的に増えている。

高齢者住宅(シルバーハウジング)
 バリアフリーに対応した公共賃貸住宅( 公的な機関が公的資金を使って建設、購入、または受託管理して運営している賃貸住宅のこと。低額所得者向けに安い家賃で賃貸する公営住宅、主に中堅所得層 向けに独立行政法人都市再生機構や地方住宅供給公社が賃貸する賃貸住宅などがある。また、民間の土地所有者が公的資金の援助を受けて一定の条件に合った賃 貸住宅を建て、入居者に家賃補助を行う特定優良賃貸住宅も公共賃貸住宅に含む。)に、60歳以上の高齢者を対象に安否の確認や緊急時対応などのサービスを行う生活援助員を配置した「高齢者世話付き住宅」。1987年に厚生省と建設省(当時)が連携してモデル事業として始めたシルバーハウジング・プロジェクトに基づく。生活援助員が常駐するタイプと福祉施設が併設されているタイプがある。